クリニック案内
胃カメラ
公開日
更新日

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。
🌀 みぞおちの痛みが続いていて、潰瘍ではないか心配
🌀 胃カメラを勧められたけれど、何を調べるの?
このような悩みや疑問はありませんか。
「潰瘍」と聞くと不安になるかもしれませんが、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の多くは、適切な治療によって改善が期待できます。ただし、原因が残っていると、いったん治っても再発することがあります。
今回は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍について、胃カメラによる検査から治療、再発予防までをわかりやすく解説します。

胃や十二指腸の内側は、粘液で守られた粘膜で覆われています。この粘膜が胃酸などの刺激によって傷つき、粘膜の下にある層(粘膜下層)まで達する深い傷ができた状態を「消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)」と呼びます。
主な症状は、みぞおちの鈍い痛みや吐き気、胸やけなどです。胃潰瘍では食後、十二指腸潰瘍では夜間に痛みを感じることがありますが、症状や痛みのタイミングだけでは、潰瘍かどうかは判断できません。
また、自覚症状がないまま、出血による貧血などをきっかけに見つかることもあります。
消化性潰瘍の原因として、特に重要なのは次の2つです。
ヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)感染:胃や十二指腸の粘膜に炎症を起こし、潰瘍ができやすくなります。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)や低用量アスピリンの使用:ロキソプロフェンなどの痛み止めは、胃粘膜を守る働きを弱め、潰瘍の原因となることがあります。心筋梗塞や脳梗塞の再発予防に使われる低用量アスピリンも、潰瘍や出血のリスクを高めることがあります。
喫煙、過度の飲酒、強いストレスなども、潰瘍の悪化に関わる要因です。
処方薬だけでなく、市販の鎮痛薬が関係することもあります。受診時は、お薬手帳や服用中の市販薬がわかるものをお持ちください。

胃カメラでは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できます。潰瘍が見つかった場合は、主に次の点を確認します。
✅ 潰瘍の場所・大きさ・深さ
✅ 出血の有無
✅ 悪性病変を疑う所見の有無
✅ ピロリ菌感染を疑う所見の有無(必要に応じて追加検査)
胃潰瘍では、見た目だけでは良性の潰瘍と胃がんを区別しにくい場合があります。必要に応じて病変の一部を採取する「生検」を行い、顕微鏡で詳しく調べられることが胃カメラの大きな利点です。
出血している場合は、入院設備のある病院で、胃カメラを使って出血部位を確認しながら止血処置を行います。
潰瘍から出血すると、血を吐いたり、黒いタール状の便が出たりすることがあります。出血量が多い場合は、めまいや動悸などを伴い、緊急の内視鏡検査や止血処置が必要になることがあります。
また、胃や十二指腸の壁に穴が開く「穿孔(せんこう)」では、突然の激しい腹痛が起こります。
血を吐いた場合、黒いタール状の便が出た場合、突然の激しい腹痛がある場合は、ためらわず119番へ連絡してください。立っていられないほどのふらつきや冷や汗、意識が遠のく感じがある場合も、緊急性の高い状態です。

基本は、胃酸を抑える薬を服用する治療です。消化性潰瘍が治るまでには、通常6〜8週間かかります。痛みが改善しても自己判断で薬をやめず、服用期間を医師に確認しましょう。
あわせて、潰瘍の原因に応じて、ピロリ菌の除菌や服用中の薬の見直しも行います。
胃酸を抑える薬と抗菌薬を組み合わせた除菌治療を行います。除菌に成功すると、潰瘍の再発予防が期待できます。
除菌治療薬の服用終了から4週間以上あけて、尿素呼気試験や便中抗原検査などで除菌判定を受けることが大切です。胃酸を抑える薬のなかには、尿素呼気試験でピロリ菌を見つけにくくするものがあります。正しく判定するため、検査前の服薬については担当医に確認しましょう。
参考コラム▶︎ 胃の不調はピロリ菌が原因?胃がん予防につながる検査と治療を解説
原因となる薬を中止できる場合は、処方医と相談して中止や変更を検討します。治療上必要で中止できない場合は、胃酸を抑える薬を併用します。
特に低用量アスピリンは、心筋梗塞や脳梗塞の再発を防ぐために欠かせないことがあります。自己判断で中止せず、必ず処方医に相談しましょう。
潰瘍の再発を防ぐには、症状がなくなった後も、原因に応じた対応を続けることが大切です。
✅ 処方された薬を指示どおりに服用する:症状が改善しても、潰瘍が治るまでには通常6〜8週間かかります。指示された期間は服用を続けましょう。
✅ ピロリ菌の除菌結果を確認する:除菌できていないと再発につながるため、治療後は除菌判定を受けましょう。
✅ NSAIDsや低用量アスピリンの使用を医師に伝える:潰瘍の治療を受ける際は、NSAIDsや低用量アスピリンを使用していることを医師に伝えましょう。必要に応じて処方医と潰瘍を治療する医師が連携し、薬の継続や変更、潰瘍予防について判断します。市販の痛み止めを使う場合も、医師や薬剤師に相談してください。
✅ 禁煙する:喫煙は潰瘍の治りを妨げ、再発に関わる要因です。
過度の飲酒や睡眠不足、強いストレスも、潰瘍を悪化させる要因とされています。無理のない範囲で生活習慣を整えていきましょう。
A. 必要な回数は、潰瘍の状態によって異なります。胃潰瘍では、胃がんとの区別や治癒の確認のため、治療後にも胃カメラが必要になる場合があります。
再検査の時期は、潰瘍の大きさや見た目、生検の結果などをもとに判断されるため、担当医に確認しましょう。
A. 除菌に成功すると、潰瘍の再発リスクは大きく下がりますが、ゼロになるわけではありません。
NSAIDsや低用量アスピリンの服用を続ける場合は、新たに潰瘍ができることがあります。除菌後も、医師から勧められた検査やフォローアップを受けましょう。
参考コラム▶︎ ピロリ菌除菌後も胃カメラは必要?何年ごと・いつまで受けるかを解説
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃カメラで状態や原因を確認し、適切な治療と再発予防につなげていくことが大切です。
潰瘍の多くは、胃酸を抑える薬や原因に応じた治療によって改善が期待できます。再発を防ぐには、ピロリ菌の除菌後に結果を確認し、NSAIDs・低用量アスピリンを使用している場合は、薬の必要性や潰瘍予防について処方医と相談することがポイントです。
みぞおちの痛みが続く方、健診で胃の異常を指摘された方は、お気軽に当院へご相談ください。胃カメラが不安な方も、まずは症状の相談だけでも診察できますので、治療計画を整理していきましょう。
では、次回のコラムもお楽しみに!
【参考文献】
MSDマニュアル プロフェッショナル版「消化性潰瘍」
一般社団法人 日本消化器病学会「患者さんとご家族のための消化性潰瘍ガイド2023」
総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう~救急車 必要なのはどんなとき?~」
一般社団法人 日本消化器病学会「消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)」