横浜LA内科・内視鏡クリニック

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ピロリ菌除菌後も胃カメラは必要?何年ごと・いつまで受けるかを解説

胃カメラ

公開日

2026.9.11

更新日

2026.9.7

胃カメラを操作する医師の手元と、横向きに寝て検査を受ける患者

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。

🌀 ピロリ菌の除菌に成功したのに、胃カメラを受ける必要があるの?

🌀 除菌できたんだから、もう胃がんの心配はないのでは?


このような疑問をもつ方は少なくありません。除菌治療を終えると、「これで胃の心配もひと区切り」と、ほっとしますよね。


結論からお伝えすると、ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクはゼロにはならないため、定期的な胃カメラ検査が必要です。


今回は、除菌後も胃カメラが必要な理由と、検査間隔やいつまで続けるかについて解説します。

🔸 ピロリ菌を除菌したのに、なぜ胃カメラが必要なの?

ピロリ菌除菌後も胃カメラが必要な理由の図解。萎縮性胃炎や腸上皮化生が残ることがある。病変が胃炎の一部のように見えることがある。

ピロリ菌を除菌すると、将来の胃がんリスクは低下します。ただし、リスクが完全になくなるわけではありません。除菌後も胃カメラが必要な主な理由は、次の通りです。

理由①|萎縮性胃炎や腸上皮化生が残り、胃がんリスクがゼロにならないから

ピロリ菌の感染が長く続くと、胃の粘膜が薄くなる「萎縮性胃炎」や、胃の粘膜が腸の粘膜に似た性質へ変わる「腸上皮化生」が生じることがあります。これらは胃がんリスクを高める変化です。

除菌すると、ピロリ菌による炎症は改善します。ただし、すでに変化した胃粘膜が完全に元へ戻るとは限りません。つまり、ピロリ菌がいなくなっても胃がんリスクが残る場合があるため、除菌後も胃カメラで胃粘膜の状態を確認することが大切です

理由②|除菌後胃がんは、胃炎に紛れて見つけにくいことがあるから

除菌後に見つかる胃がんを「除菌後胃がん」といいます。除菌後胃がんでは、がんの表面を非腫瘍性上皮(がんではない細胞の層)が覆い、病変が胃炎の一部のように見えることがあります。


こうした見分けにくい病変を捉えるには、定期的に胃カメラを受け、過去の画像と見比べながら、胃粘膜の色や凹凸のわずかな変化を確認することが重要です。

🔸 除菌後の胃カメラは何年ごと・いつまで受ける?

胃カメラをいつまで続けるかについて、現時点では「除菌から何年たてば終了してよい」という明確な基準はありません。


国内研究では、除菌後胃がんの約3分の2が除菌後5年以内に見つかっていました。一方、10年以上たってから見つかる例もあります。


日本ヘリコバクター学会も、除菌後の長期的な経過観察を推奨しています。自己判断で中断せず、主治医と相談しながら続けることが大切です。


これらを踏まえて、当院では、ピロリ菌除菌後のフォローアップとして、年1回の胃カメラをひとつの目安としています。ただし、すべての方に一律で年1回が適しているわけではありません。萎縮性胃炎や腸上皮化生の程度など、胃粘膜の状態を踏まえて検査間隔を個別に判断します。

▶︎ 参考コラム:胃カメラは何年に一度受けるべき?所見別の検査頻度目安を解説

定期検査を待たずに相談したい症状

胃の不調が続く、理由のない体重減少、飲み込みにくさ、貧血は定期検査を待たず早めに相談。黒く粘り気のある便(タール便)や吐血は、すぐに受診。

次のような症状がある場合は、定期検査を待たず、早めに内科や消化器内科を受診しましょう。

✅ 胃もたれや胃の不快感、胸やけ、吐き気、食欲不振などが続く
✅ 理由なく体重が減ってきた
✅ 食べものがつかえる・飲み込みにくい
✅ 健診などで貧血を指摘された

これらの症状があるからといって、必ずしも胃がんとは限りません。ただし、症状だけで原因を見分けることは難しいため、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。


特に、黒く粘り気のある便(タール便)や吐血がみられる場合は、消化管から出血している可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

🔸 よくある質問

Q. 除菌後は血液検査(ABC検診)だけで経過をみられますか?

A. 血液検査(ABC検診)だけで、胃カメラの代わりに経過をみることはできません。


ABC検診は、ピロリ菌抗体とペプシノゲン値を組み合わせ、胃がんになりやすい状態かどうかを分類する血液検査です。胃がんの有無を診断する検査ではありません。胃の中を直接観察できる胃カメラとは、検査の目的や役割が異なります。


そのため、除菌後の経過観察では、胃カメラが必要です。

Q. 除菌後にピロリ菌へ再感染することはありますか?

A. 可能性はありますが、成人では除菌後の再感染は多くありません。

除菌に成功したあと、ピロリ菌の検査を毎年繰り返す必要はなく、内視鏡所見や経過から再感染が疑われる場合には、あらためて検査をします。

🔸 まとめ|除菌後も胃の状態に合わせて胃カメラを続けよう

ピロリ菌を除菌しても、胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。除菌後も胃粘膜の変化が残り、10年以上たって胃がんが発生する場合もあります。


胃カメラの適切な間隔は、一人ひとりの胃の状態によって異なります。自己判断せず、主治医と相談しながら、自分に合った間隔で経過をみていきましょう。

当院では、鎮静剤を使用し、うとうとした状態で受けられる胃カメラに対応しています。土曜日に加え、日曜日も完全予約制で内視鏡検査を行っています。

「除菌してから胃カメラを受けていない」「次にいつ受ければよいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。除菌した時期や、これまでの胃カメラの所見などを確認し、検査時期をご案内します。

【横浜市三ツ境駅徒歩2分】ご予約はこちら


少しでも参考にしていただければうれしいです。

では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. 日本消化器がん検診学会「ヘリコバクター・ピロリ除菌療法に関する理事会声明」

  2. 村尾高久ほか「H. pylori陰性・除菌後胃癌の内視鏡診断」Gastroenterological Endoscopy. 2020;62:1577-1584.

  3.  満崎克彦ほか「胃内視鏡検診で発見された除菌後胃癌―除菌後サーベイランス期間の検討―」日本消化器がん検診学会雑誌. 2022;60:639-649.(PDF 3・6ページ/誌面641・644ページ)

  4. Take S, et al. Risk of gastric cancer in the second decade of follow-up after Helicobacter pylori eradication. J Gastroenterol. 2020;55:281-288.

  5. 日本ヘリコバクター学会「Guidelines for the management of Helicobacter pylori infection in Japan: 2024 revised edition」

  6. 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がんについて」

  7. 日本消化器がん検診学会「血液による胃がんリスク評価(いわゆる『ABC分類』)を受けられた方へのご注意」

  8. Take S, et al. Reinfection rate of Helicobacter pylori after eradication treatment: a long-term prospective study in Japan. J Gastroenterol. 2012;47(6):641-646.

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