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胃カメラ
公開日
2026.4.16
更新日
2026.5.27

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。
💬 なんとなく胃の調子が悪い
💬 症状はないけど、ピロリ菌の検査は必要?
そんな悩みや疑問を抱えていませんか?
「食生活の乱れやストレスのせいかな…」と見過ごしがちなその不調、実はピロリ菌が原因かもしれません。
そこで今回のコラムでは「ピロリ菌と胃の不調との関係や、具体的な検査・治療」について解説します。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃酸を中和する仕組みを持っているため、強い酸性の胃の中でも生きられる特殊な細菌です。
胃の粘膜に住み着き、毒素を出して胃をじわじわと傷つけます。
そして、除菌をしない場合は自然に消えることが少なく、長く胃にとどまることでダメージを蓄積していくとされています。
ピロリ菌は、感染初期の自覚症状がほとんどありません。
しかし、放置すると知らないうちに胃の粘膜は繰り返し傷つけられ、弱ってしまいます。
その結果、次のような病気のリスクが高まります。
慢性胃炎:常に胃の粘膜が炎症を起こしている状態。
萎縮性胃炎:炎症が続き、胃の粘膜が薄く痩せてしまった状態。胃がんが発生しやすい状態になりやすい。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍:粘膜が深く傷つき、えぐれてしまった状態。
胃がん:度重なる炎症と修復のミスによりがん細胞が発生。

WHO(世界保健機関)は、ピロリ菌を「確実な発がん因子」と認定しています。
これは、タバコやアスベストと同じ最高ランクの危険度です。
ピロリ菌感染者は非感染者に比べて、胃がんリスクが約5倍高いことがわかっています。
主な感染時期は、免疫機能が未熟な幼少期です。
胃酸の分泌が十分になり、免疫機能も確立された大人になってから感染することは、ほとんどありません。
また、感染ルートは生まれた時代(衛生環境)によって傾向が異なります。
<時代別感染ルート>
1970年代以前に生まれた方 | 1980年代以降 |
|---|---|
・井戸水などの生活水 | ・ピロリ菌を持つ家族からの口移しや食器の共有などの家庭内感染 |
ピロリ菌の感染を正確に知るには、医療機関での検査が必要です。
大きく分けて以下の2つの方法があります。
①胃カメラを使わない検査
②胃カメラを使う検査
<主な検査の種類>

尿素呼気試験:検査薬を飲み「息」を調べる。精度が高く、除菌後の判定にも使用。検査前の絶食が必要。
胃がんリスク検査(ABC検診):採血で「ピロリ菌抗体」と「胃の老化度」をチェック。将来の胃がんリスクをA〜Dで判定。除菌後の判定には不向き。
血中抗体検査:血液中のピロリ菌抗体のみ測定。採血だけで手軽だが、除菌後の判定には不向き。
便中抗原検査:便中の菌の有無を調べる。高精度で痛みもなく、小児や採血が苦手な人に最適。
尿中抗体検査:尿中の抗体を測定。注射不要で身体への負担が少ない簡易検査。
✅ こんな人におすすめ
まずは手軽に、ピロリ菌がいるかどうかだけ確認したい
健診のついでにサクッと調べたい
一度もピロリ菌検査を受けたことがない
内視鏡で直接胃の粘膜を観察します。
ピロリ菌がいるかどうかだけでなく、胃の中の状態も同時に確認できます。
胃炎や潰瘍、胃がんができていないかをチェックできるのが、最大のメリットです。
慢性胃炎などの気になる所見があれば、その場で組織の一部を採取(生検)できます。
ピロリ菌の有無や、重大な病気が隠れていないかを、より詳しく調べることができます。
当院でも、できるだけ負担の少ない胃カメラ検査を行っているので、ぜひご相談ください。
✅ こんな人におすすめ
40歳以上で一度も胃カメラを受けたことがない
胃の痛みやもたれ、不快感などの症状がある
身内に胃がんになった人がいる
簡易検査(血液検査や呼気試験など)でピロリ菌陽性と判定された場合、 保険を使って除菌治療を行うためには、最終的に胃カメラ検査が必要になります。
これは、胃の状態を実際に確認したうえで治療を進めるためです。
そのため、
💭 陽性だったら結局胃カメラをするなら、最初から胃カメラコースにしておこうかな
💭 まずは菌がいるかだけを知りたいから、簡易検査にしようかな
というように、ご自身の考え方に合わせて選んでみてくださいね。
「どの検査がいいか分からない」という場合もご安心ください。状況に合わせて最適な検査方法をご案内します。

もしピロリ菌が見つかっても、内服で治療(除菌)が可能です。
<横浜LA内科・内視鏡クリニックでの除菌治療の流れ>
薬を飲む(1週間):
抗菌薬(抗生物質)2種類と、胃酸の分泌を抑える薬1種類の3剤を、1日2回、7日間服用します。
判定検査:
服用終了から4週間以上開けて再度検査(主に尿素呼気試験)を行い、菌がいなくなったかを確認します。
初回の治療による除菌成功率は70〜90%程度です。
もし1回目で除菌しきれなかった場合は、薬の種類を変えて2回目の治療(二次除菌)を行います。
正しく治療すれば、ほとんどの方が除菌に成功します。
将来の胃がんリスクを減らすためには、ピロリ菌の除菌が重要であるとされています。
そのために、まずは「自分が感染しているかどうか」を知ることが大切です。
次の項目に一つでも当てはまる方は検査をおすすめします。
✅ これまで一度もピロリ菌検査を受けたことがない
✅ 胃の不調がなかなか治らない
✅ 身内に胃がんになった人や、ピロリ菌感染者がいる
今は、健康診断のオプションなど手軽に検査ができる時代です。ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
▶︎受診予約はこちら
それでは、また次のコラムで!
参考文献
国立研究開発法人国立がん研究センター 予防研究グループ. “ヘリコバクター・ピロリ菌感染と胃がん罹患との関係:多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果”.
一般財団法人 日本消化器病学会. “患者さんとご家族のための消化性潰瘍ガイド2023”.
国立研究開発法人国立がん研究センター. “科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究”.