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胃カメラ
公開日
2026.9.4
更新日
2026.9.4

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。
🌀 逆流性食道炎と言われたけれど、症状がないのに治療は必要なの?
🌀 薬を飲み始めたら、ずっと手放せなくなるのでは…
実際に国内の報告では、逆流性食道炎と診断された方のおよそ1割は、自覚症状がなかったとされています。
そして、逆流性食道炎で治療が必要かどうかは、症状だけでなく、胃カメラの所見やこれまでの経過などを合わせて考えます。
このコラムでは、逆流性食道炎の段階(グレード)と、それぞれの治療方針についてお伝えします。
ご自身の状態を知って、これからを考えるヒントにしていただけたら嬉しいです。
逆流性食道炎とは、胃酸などが逆流して、食道の粘膜に炎症が起きている状態です。
国内の報告では、自覚症状のない方のうち約8割は、傷がごく軽いグレードAでした。
つまり、症状がないまま見つかる方の多くは、軽い状態で発見されているということです。
胃カメラで食道の粘膜にできた傷(びらん)の広がりから、傷の程度を段階に分けて評価します。
ロサンゼルス分類は、逆流性食道炎の傷の程度を表す世界共通のものさしです。
日本では、傷はなく、粘膜の色が変わっている状態のMを加えた「改訂ロサンゼルス分類」を使います。
M(色調変化型):粘膜の色が変わっているだけで、傷はありません
A:5mm以下の傷がある状態です
B:5mmを超える傷がある状態です
C:いくつかの傷がつながり、帯のように広がった状態です
D:傷が食道の内側に4分の3以上広がった状態です

内視鏡で見た重症度と自覚症状は一致するとは限りません。
国内の成人8千人あまりの調査では、グレードC・Dでも、約4割の方は胸やけを感じていませんでした。
治療は、生活習慣の見直しと、胃酸をおさえる薬が基本です。
薬には、プロトンポンプ阻害薬(PPI)とカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の2つがあり、症状に応じて使い分けます。
まず4〜8週間ほど飲んで食道の傷を治し、そのあとも続けることを「維持療法」といいます。
薬が必要かどうかは、グレードと症状で変わります。
Mは、食道粘膜に白っぽさや赤みなどの色調変化はありますが、明らかな傷はありません。
この所見は内視鏡での判断にばらつきがあり、臨床的な意味もまだ十分には分かっていません。
そのため、症状の有無なども含めて治療方針を考えます。
症状がなく傷が軽い(グレードA)場合は、薬を使わずに経過をみることもあり、状態に合わせてご相談のうえ決めていきます。
なお、B以上では、出血や狭窄などの合併症のリスクが高くなることが報告されています。
合併症の頻度は研究によって異なりますが、逆流性食道炎の方全体で出血が約5%、狭窄が約3%です。
緊急の止血が必要になることもまれですが、Bの方は少していねいに経過をみていきます。
薬で粘膜の傷が治ったあとも、再発を防ぐために維持療法を続けることが重要です。
維持療法を続けることで再発を抑えられるとされていますが、中止すると粘膜の傷はほぼ再発すると報告されています。
炎症が長く続くと、食道の粘膜が胃に似た組織に変わる「バレット食道」を指摘されることがあります。
バレット食道には短いものと長いものがあり、日本では短いタイプが多くみられます。
なかでも3cm以上の長いバレット食道は、食道腺がんのリスクが高いことが知られており、定期的な胃カメラによる経過観察が重要です。短いバレット食道については、状態に応じて経過をみます。
▶︎ 参考コラム:「バレット食道とは?がん化リスクと「やるべきこと」を医師が解説」

減らせるかどうかは、グレードによって変わります。
軽症で落ち着いていれば減量を検討できますが、グレードC・Dは続けるのが基本です。
症状が出たときだけ飲む「オンデマンド療法」を、医師の判断で選ぶこともあります。
ただし、すべての方に向くわけではなく、再発する場合は毎日の治療へ戻すこともあります。
PPIについては、飲む期間に明確な制限はありませんが、必要最小限の用量で使うことが基本です。
P-CABはPPIより新しい薬ですが、国内で5年間使った研究では、悪性の変化は認められませんでした。長く飲む場合は、効果と必要性を確かめながら経過をみていきます。
治療のことで気がかりがあれば、遠慮なくお聞かせください。
症状と前回のグレードを見ながら一緒に決めていきましょう。
次の症状は、食道の合併症や別の病気が隠れていることがあります。
✅ 飲み込むときに痛む、つかえる感じがある
✅ 体重が急に減っている
✅ 吐いたものに血が混じる、黒い便が出る
なお、強い胸の痛みが腕や背中にも広がるときは、心臓や血管の病気の可能性があります。胸やけと自己判断せず、119番へ連絡してください。
A. 「何年に1回」という決まりはありません。
当院ではリスクに応じて1〜5年ごとを目安にご案内しています。
▶︎ 参考コラム:「胃カメラは何年に一度受けるべき?所見別の検査頻度目安を解説」
A. 軽症の逆流性食道炎を長期間追跡した研究では、多くは大きく悪化しませんでしたが、一部でグレードが進むことも報告されています。症状や前回の所見に応じて経過を確認しましょう。
逆流性食道炎は、症状がないからといって必ず治療不要とは限りません。軽症で状態が落ち着いている方では減量やオンデマンド療法を検討できる一方、グレードC・Dでは再発を防ぐため治療を続けることが大切です。
検査で診断された方だけでなく、何か気になる症状を感じている方は、当院にも遠慮なくご相談くださいね。
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このコラムが、逆流性食道炎と言われて不安を感じている方の、安心につながればうれしいです。
【参考文献】
日本消化器病学会. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版).
日本消化器病学会. 患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド2023.
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