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総合診療
公開日
2025.12.15
更新日
2026.5.27

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。
🌀通勤・通学の電車の中で、急にお腹が痛くなることがある
🌀大事な会議や試験の前に限って、お腹が張ったり下痢をしたりする
こうした経験に困ったことはありませんか?
病院に行っても「異常なし」だけど、また同じことが起こる。
その症状は、もしかしたら「過敏性腸症候群(IBS)」という病気かもしれません。
2本シリーズの前編となる今回は、
IBSの症状・タイプ
ストレスが腸に与える影響
IBSの診断で必要な検査
について簡単にお伝えします。
💭体質だから、しかたないのかな
💭周りに相談しづらいな
もしあなたが、つらい症状を一人で我慢していらっしゃるとしたら、このコラムが受診を考えるきっかけとなれば幸いです。
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)とは
お腹の痛みや不快感に、下痢や便秘などの便通異常をともなう病気
です。
日本人のおよそ10人に1人が抱えているとされる身近な病気で、大腸の炎症や”がん”といった明らかな異常が見つからないにもかかわらず、症状が続くことが特徴です。
IBSの代表的な症状は下記の通りです。
腹痛やお腹の張り、不快感
下痢、便秘、またはその両方を繰り返す
お腹がゴロゴロ鳴る
ガスが溜まって苦しい
便の形が変わりやすい(柔らかくなったり硬くなったりする)
排便後も出し切った感じがしない残便感がある
これらの症状が最近3ヵ月の間に、週1日以上にわたって続いているようなら、IBSの疑いがあります。
当てはまる場合には、内視鏡内科などの医療機関を受診してみることをおすすめします。
IBSは大きく4つのタイプに分けられます。
①下痢型
急な下痢・強い便意といった便意切迫感(べんいせっぱくかん)が起こるタイプ
緊張するとお腹が痛くなったり、下痢が起こることが多い
通勤・通学中や会議中など、トイレに行けない状況で症状が出ることによる不安が大きい
便の特徴:崩れた泥状、または水のようなもの
②便秘型
便秘が続くタイプ
ストレスで便秘が悪化することが多い
排便がなかなかできないため、お腹が張って苦しいことも
排便後も出し切った感じがしない残便感がある
便の特徴:ウサギのウンチのようなコロコロとした硬い便
③混合型
下痢と便秘を繰り返すタイプ
便通の変化が激しく、日常生活への影響が大きくなることも
便の特徴:水のような便とコロコロした硬い便を繰り返す
④分類不能型
上記のいずれにも当てはまらないタイプ

IBSの原因は、はっきりとはわかっていませんが、以下のような複数の要因が関係していると考えられています。
ストレス・不安
精神的な緊張が腸の動きに影響を与える
腸の運動異常
腸が過敏に反応したり、動きが不規則になる
腸の知覚過敏
通常では感じない程度の刺激でも痛みを感じてしまう
食事の影響
特定の食品が症状を引き起こすこともある
感染症
胃腸炎などの感染症がきっかけで発症することもある
特にストレス・不安は腸の動きと深く関係しているといわれています。
緊張したときにお腹が痛くなったり、下痢になったりした経験をお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
実は私たちの脳と腸は、自律神経やホルモンを通じて常に情報をやりとりしており、腸は「第2の脳」とも呼ばれるほど、お互いに密接に関係しています。
これは「脳腸相関」と呼ばれるメカニズムで、IBSはこの情報のやりとりが激しすぎることによって起こると考えられています。
ストレスや不安を感じると、その情報が脳から腸に伝わり、腸の動きが乱れたり、痛みを感じやすくなったりするのです。

IBSの症状を一度経験すると、
🌀また急にお腹が痛くなったらどうしよう…
という不安がさらにストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥ることも。
IBSは命に関わる病気ではありませんが、症状への不安から
通勤・通学など外出が怖くなる
仕事や学業に集中できない
など、生活の質(QOL)を大きく下げてしまうことにつながります。
そのため、きちんと診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。
IBSの診断は「除外診断」という方法で行われます。
これは、似たような症状を引き起こす他の病気がないことを確認した上で、IBSと診断する方法です。症状や年齢、家族歴などを考慮して、以下のような検査が行われることがあります。
問診
症状の内容・いつから始まったか・どんな時に悪化するか・排便の状態などを確認
血液検査
炎症の有無・貧血などをチェック
便検査
出血・感染症・炎症の有無を確認
大腸カメラ検査
大腸の粘膜を直接観察し、炎症性腸疾患・がんなどを除外
腹部超音波(エコー)検査
臓器の形・位置・状態などを確認
特に次のような「危険サイン」がある場合は、他の病気が隠れている可能性があるため、大腸カメラによる詳しい検査が強く推奨されます。
【大腸カメラ検査が必要な危険サイン】
50歳以上で初めて症状が出た
血が混ざっている
腹痛がだんだん強くなっている
いつのまにか体重が減っている
家族の中に大腸がんと診断された人がいる
これらの検査で「異常がない」「他の病気ではない」ことを確認することが、IBSの診断には重要です。
今回は、IBSの症状・タイプ、ストレスとの関係、そして診断に必要な検査についてお伝えしました。
最近お腹の不調が続いているようなら、お近くの「大腸カメラ検査ができる内科・内視鏡内科」を受診してみることをおすすめします。
もしIBSの疑いがある場合には、必要な検査をスムーズに受けることができます。
「体質だからしかたないと思っていた」
「前に検査したけど異常なしで、どうしたらいいかわからない」
そんな方はぜひ一度、横浜LA内科・内視鏡クリニックへご相談いただければと思います。
当院では専門医による、IBSを含むさまざまな消化器の病気に関する検査・治療を行っています。
受診の際には、下記のポイントも押さえておきましょう。
事前に症状日誌をつけてみる
いつ、どんな症状が出たか、食事内容、ストレスの状況などを記録したメモを持参いただけると、診断の助けになります。
気になることは遠慮なく相談
「こんなこと聞いてもいいのかな」と思わず、気になることは何でも医師に相談してください。やりとりの中でのちょっとした情報が、治療方針を検討するときの参考になることもあります。
コラム後編では、IBSの治療法について詳しくご紹介します。
▼後編はこちら
参考文献
[1] 日本消化器病学会 編: 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020-過敏性腸症候群(IBS)(改訂第2版). 南江堂. 2020. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/IBSGL2020_.pdf(2025年12月14日閲覧)]
[2] 日本消化器病学会 編: 患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド2023. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/ibs_2023.pdf(2025年12月14日閲覧)]