クリニック案内
大腸カメラ
公開日
2026.6.1
更新日
2026.6.1

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック院長の本多です。
🌀「大腸カメラを受けたんだけど、次はいつ受ければいいの?」
🌀「ポリープを取った後って、しばらく受けなくてもいいよね…?」
こういったお声、外来でもよくいただきます。
実は「大腸カメラの受診間隔」は、検査結果(所見)の内容によって変わります。
「ポリープを取ったから安心」「異常なしだったから当分大丈夫」とは限らないケースもあり、正しい知識を持っておくことが大切です。
そこで今回のコラムでは、大腸カメラの適切な受診間隔を所見別にわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
🌀「毎年受けるのは過剰?下剤も大変だし、必要ないなら受けたくない…」
そう感じる方も多いと思います。
実は大腸カメラの次回受診間隔は、前回の検査で見つかった所見(ポリープの有無・数・大きさ・タイプ)によって変わります。一律に「〇年に1回」とは言い切れないのです。
ここからは、所見のパターン別に詳しく解説していきます。
前回の検査で異常な所見やポリープが1つも見つからなかった場合、大腸がんの発生リスクは比較的低いと考えられています。
このような場合の目安は、3〜5年に1回の大腸カメラ検査が一般的です。
ただし、ご家族(親・兄弟姉妹)に大腸がんや大腸ポリープがある方がいる場合は、当院ではより短い間隔をご提案することがあります。
「異常なし=ずっと安心」ではありません。大腸の状態は数年単位でゆっくり変化するため、定期的な観察を続けることが大切です。
ポリープが見つかった場合の次回の受診間隔は、ポリープの数・大きさ・タイプ(病理結果)によって変わります。
まず、大腸ポリープは大きく「過形成性ポリープ」と「腺腫(せんしゅ)」に分けられます。このうち、過形成ポリープの場合は基本的に良性で、数が少ない場合は通常の検診間隔(3〜5年に1回)で問題ありません。
一方で腺腫の場合は、放置するとがんに変化する可能性があります。
そのため、大腸カメラ検査中に見つかった場合は切除を行い、状態に合わせて検査頻度が異なります。
※過形成性ポリープか腺腫かどうかは、切除後に病理検査を行って鑑別されます。
<腺腫に応じた検査頻度の目安>
腺腫の状態 | リスク区分 | 検査頻度の目安 |
|---|---|---|
1〜2個 かつ すべて10mm未満の腺腫を切除 | 低リスク腺腫 | 2年に1回 |
<下記いずれかの場合> | 高リスク腺腫 | 1年に1回 |
腺腫切除後の大腸カメラ検査間隔が短いのは、異時性病変(取り除いた場所とは別の場所に新たにできる腺腫)のリスクがあるためです。複数または大きな腺腫が見つかった方ほど、新しい腺腫ができやすい傾向があります。
当院でも、腺腫が見つかった方には病理結果(細胞の性質)を踏まえた個別のフォロー時期をお伝えしています。他院で検査された方も、お手元の検査レポートを持参いただくと、より正確にご案内できます。
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早期の大腸がんを内視鏡治療(EMRやESD※)で切除した方は、より密なフォローアップが必要です。
※いずれも開腹手術をせずに内視鏡で病変を切除する方法。EMR(内視鏡的粘膜切除術)は病変の下に液体を注入して浮かせてから切除する方法で、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)はより大きな病変を粘膜下層ごと一括で切除できる方法です。
日本消化器内視鏡学会の「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」でも、内視鏡切除後は6ヶ月〜1年後の内視鏡検査を行い、その後も定期的なフォローが推奨されています。
大腸カメラ検査中ではなく、外科手術で大腸がんを治療された方は、再発の有無を慎重に確認するためにより専門的なフォロー体制が必要です。
ガイドラインでも、術後1年ごとの大腸カメラに加え、CT・血液検査などを組み合わせたフォローが標準とされています。
当院では、術後フォローについては手術を受けられた医療機関と連携しながら、患者さんに合わせた検査計画をご提案します。
親・兄弟姉妹に大腸がんや大腸ポリープの既往がある方は、そうでない方と比べて大腸がんのリスクが上がります。この場合、初回の検査開始年齢を早めたり、フォロー間隔を短くしたりすることが推奨されます。
特に家族性大腸腺腫症やLynch症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)などの遺伝性疾患が疑われる場合は、専門的な遺伝カウンセリングと、より短いサイクルでの検査が必要になります。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患がある方は、慢性的な炎症が長期間続くことで大腸がんのリスクが上がるとされています。
罹患期間や病変の広がりによっては、1〜2年ごとの大腸カメラが推奨されるケースもあります。担当医と相談しながら計画的にフォローしていきましょう。
🌀「結局、自分はどのくらいの間隔で受ければいいの?」
という方に向けて、これまでの内容を整理します。以下の図を参考にしてくださいね。
※期間はあくまで目安となるため、かかりつけ医の判断を優先してください。

A. 所見がある方については、検査の間隔が空きすぎると、その間にポリープが育って大腸がんに進行してしまうリスクがあります。大腸がんの多くはポリープ(腺腫)から5〜10年かけて発生するとされています。そのため、適切な間隔で大腸カメラを受けていれば、腺腫の段階で見つけて取り除くことで大腸がんを未然に防げる可能性が高いです。
大腸カメラは「受けるかどうか」だけでなく「定期的に受けること」がとても重要な検査です。
A. 基本的に大丈夫なことが多いのですが、必ずしも不要とは言えません。便潜血検査はあくまで「ふるい分け」の検査で、検査時に出血していないポリープや早期がんは見逃される可能性はあります。
特に家族歴がある方、症状がある方、以前にポリープを指摘されたことがある方は、便潜血が陰性でも大腸カメラでの直接確認をおすすめします。
大腸がんは、早期発見できれば治癒率が非常に高いとされています。
そして今日お伝えしたかったのは、「大腸カメラの受診間隔は所見によって人それぞれ違う」ということです。
今回の記事を参考に「自分の所見に合った間隔」で、定期的に大腸カメラを受け続けてくださいね。
当院でも、できるだけ負担の少ない大腸カメラ検査を行っています。
検査後のフォローアップやセカンドオピニオンの対応もできますので、ぜひ気軽にご相談ください。
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では、また次回のコラムで!
【参考文献】
日本消化器病学会. 大腸ポリープ診療ガイドライン2020 改訂第2版. 南江堂; 2020.
日本消化器内視鏡学会. 大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン. Gastroenterological Endoscopy. 2020;62(8):1519-1560.
Gupta S, Lieberman D, Anderson JC, et al. Recommendations for Follow-Up After Colonoscopy and Polypectomy: A Consensus Update by the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Gastroenterology. 2020;158(4):1131-1153.
国立がん研究センター がん対策研究所. 有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版. 2024.