横浜LA内科・内視鏡クリニック

クリニック案内

コラム

【患者数第1位】小さなポリープの大きなリスク!40代からの大腸がん対策 

大腸カメラ

公開日

2025.7.29

更新日

2026.6.10

大腸のイラストと、内視鏡(大腸カメラ)の先にある金属の輪「スネア」でポリープを囲んで切除しようとしている様子のイメージ図。

こんにちは!横浜LA内科・内視鏡クリニック 院長の本多です。



突然ですが、焼肉はお好きですか?ハンバーグは?


毎日のビールが楽しみで、シメはラーメン。

昔からお弁当にウインナーが入っていたらちょっとうれしいし、外ランチの定番は牛丼か唐揚げ定食。


ところであなたは、40代もしくは50代ですか?


もし、1つでも思い当たるなら…

あなたのお腹の中では今、「大腸ポリープ」がスクスクと育っているかもしれません。



💭ポリープ?体調は問題ないけど?


まさに、その通り。

痛みや症状もなく静かに進行し、放置するとがん化する病気、それが大腸ポリープです。


今回は

  • 大腸ポリープとは?

  • 大腸がんリスクと予防策

  • なりやすい人&年齢別の検査タイミング

についてわかりやすく解説します。


好きな食事は長く楽しみたいもの。

ぜひ最後までお読みいただき、ご自身や身近な方の健康を守るきっかけにしていただければ幸いです。



🔸大腸ポリープとは?「腸のできもの」のこと


大腸ポリープとは「大腸の中にみられるできもの」のことです。

決してめずらしいものではなく、大腸のあちこちでみられます。

平らな盛り上がりから、キノコのような茎があるものまで、大腸ポリープの代表的な3つの形状を示したイラスト。

特に肛門に近いところ(直腸やS状結腸と呼ばれるところ)で60%以上が発生するといわれており、高齢になるにつれて、その他の部位でも起こりやすくなることがわかっています。


歳をとるにつれ、誰にでもできる可能性がある」と考えた方が自然かもしれません。

【大腸の各部位の名前とポリープができやすいところ】

大腸の全体図。直腸からS状結腸にかけての部位で、ポリープの60%以上が発生することを示す図解。

ポリープ=「がん」?実は良性も多い

大腸ポリープは以下のように分けられます。


【非腫瘍性ポリープ】

正常な細胞の集まりで大きさはほとんど変わらない。基本的には良性

【腫瘍性ポリープ】

細胞が自分で増えて大きくなる

  • 良性腫瘍

    腺腫(せんしゅ)とも呼ばれる。将来「がん」になる可能性もあり

  • 悪性腫瘍

    すでに「がん」となっているもの


このように、腫瘍性ポリープの中で”良性”と”悪性”に分かれ、悪性のポリープのみが「がん」と呼ばれます。

最初にポリープとして見つかるのは、良性腫瘍であることが多いとされています。

大腸ポリープを、将来がんになる可能性がある「良性の腺腫」や「がん」を含む「腫瘍性」と、それ以外の「非腫瘍性」に分けた分類図。

🔸症状はほとんどなし。だからこそ要注意!

大腸ポリープは痛みや違和感などの自覚症状がほとんどありません。特に小さなポリープの場合、まったく症状がないといってもいいでしょう。

💭良性が多いなら、そのうち治るんじゃない?

💭痛くもないし、気にしなくていいよね

そう思いたくなるところですが…ここに大きな落とし穴があるんです。

良性から悪性へ…数年後の大腸がんリスク

実は、初期は良性の大腸ポリープでも、5〜10年という時間をかけて大腸がんになる可能性があります。

多くの場合、小さいポリープがだんだん大きくなるにつれて”良性”の成分が少なくなっていき、代わりに「がん」に置き換わると考えられています。

小さくても「がん」の成分を含むもの、最初から「がん」として発生するものもあります。


現在、日本人のがん患者さんにおいて大腸がんは「患者数 第1位」「死亡数 第2位」となっています。

  • 男性:10人に1人

  • 女性:12人に1人

それぞれ上記の確率で”大腸がんになるリスクがある”という計算になります。

この背景には

  • 大腸ポリープに自覚症状がなく、気づきにくいこと

  • 大腸がん検診の受診率が低いこと

などがあげられると思われます。


では、ポリープを「がん」にさせないためには、どうしたらよいのでしょうか?

小さいうちに取る!大腸カメラの使い方

良性のポリープを悪性の「がん」にさせないための対策。

答えは、意外とシンプルです。


ポリープが小さいうちに切り取ってしまう

ことです。


良性のポリープがすべて「がん」になるわけではありませんが、ポリープを取り除くことで大腸がんによる死亡率を下げることが証明されています。


そのための方法のひとつが、大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)です。

”検査”でありながら、同時に切除手術による”治療”もできる、それが大腸カメラの特徴です。

🔸”冷たい”CSPで大腸ポリープをすばやく切除


ポリープが大きくなるほど、がん化の確率が上がることがわかっています。


【ポリープに「がん」が含まれている確率】

  • 5mm以下のポリープ:0.4%〜0.46%

  • 1cm以上のポリープ:10〜25%


上記のように1cmを超えるとがん化のリスクが高まることから、

  • ポリープは1cm未満、できれば5mm以下の段階で切り取ってしまう

これが大腸がんを予防するために大切だと、私は考えています。


そうした小さな大腸ポリープを切り取る際に行う治療法が、CSP(コールド スネア ポリペクトミー)という方法です。


💭コールド…?なにそれ、おいしいの?

という声が聞こえてきそうな。

どこかのコーヒー店のカスタマイズのような名前を出してすみません。


コールド(冷たい)とは、従来行われてきた「電気によって熱を発生させて切り取る方法(ホット)」に対して使われる呼び方で、電気を使わず(冷たいまま)ポリープを切り取ることから、このような名前がつきました。

小さな良性ポリープをすばやく完全に取り除くために適した方法として、近年行われるようになったポリープ切除方法のひとつです。

小さな大腸ポリープのための手術(CSP)による切除手順。金属の輪(スネア)を出し、ポリープの根元を絞り、電気を使わずにプツンと切り取るCSP治療の3ステップ。

当院では、大腸カメラ検査中に発見された1cm未満の良性ポリープや「がん」が疑われるポリープについては、このCSPを用いてその場で切除する日帰り手術を行っています。

手術と聞くと、びっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、上の図にあるように

  1. 大腸カメラの先から、スネアと呼ばれる金属の輪を出す

  2. 金属の輪をポリープにかけ、ポリープが細くなっているところで輪を絞る

  3. ポリープを根本からプツンと切る

という手順でポリープを切り取ります。


  • 必要以上に切りすぎて大腸に穴が開いてしまう(穿孔、せんこう)

  • 切り取った部分から出血してしまう

などといった手術で起こりうるリスクが少なく、安全性がきちんと確認されている方法です。

より短時間でスムーズな処置が行えるため、患者さんの負担を和らげることにもつながります。

ただし、ポリープの大きさや形によっては他の方法で切除したり、その場では切除せず入院手術が必要となったりする場合もあります。

🔸なりやすい人は?3つの要因&年齢別予防のタイミング

大腸ポリープや大腸がんの発生リスクとなってしまう主な要因を3つ、ご紹介します。

1. 食生活

  • お酒

    飲み過ぎは確実な危険因子といわれています。

  • 動物性脂肪の多い食事

  • 赤身肉・加工肉(ベーコン・ソーセージなど)

  • 食物繊維不足

これらは腸内環境を悪化させると考えられます。

2. 年齢

  • 40歳を過ぎると大腸がんのリスクが高まる

  • 50歳以上は特にリスクが高い

年齢は危険因子であることがわかっています。

3. 遺伝

ご家族・親戚で大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいらっしゃる場合は、そうでない方と比べて大腸がんになるリスクが約3倍高くなるといわれています。


年齢や遺伝など、個人ではどうすることもできないことも。

一方、次の2つの行動は予防効果があることが証明されているものです。

予防のポイント2つ

  • 適度な運動

  • 大腸カメラによるポリープ切除

特に大腸カメラについては、ご自身の年齢に合わせた適切なタイミングで検査を受けるようにしましょう。

【年齢別・検査を受けるタイミング】

  • 30代

    大腸がんの家族歴がある方は早めの検査を検討

  • 40代

    一度は検査、異常がなければ約5年後をめどに再検査

  • 50代以上

    2年ごとに定期的な検査

  • 食生活リスクの高い方(年齢問わず)

    1〜2年ごとに定期的な検査

🔸安心を最優先に。大腸カメラでがん予防

大腸ポリープは自分で気づくことが難しく、見逃しがちな病気です。一方で、良性であってもがん化する可能性があるため、早期発見・早期治療がとても大切です。

大腸カメラは腸の中を詳しく観察し、必要に応じてその場でポリープを切除することができるため、検査と治療を同時に行える有効な方法です。


とはいえ、

🌀大腸カメラは「恥ずかしい」「痛そう」「怖い」

といった声も…。

大人になるまで受ける機会もほぼなく、何をするのかよくわからない検査に、不安を感じるのは当然だと思います。私自身も初めて受けた大腸カメラでは、思ったより緊張したことを覚えています。


横浜LA内科・内視鏡クリニックでは、そんな気持ちに寄り添い、みなさまに安心して受けていただくことを最優先に、丁寧な説明を心がけています。

強引に検査をおすすめするようなことはありませんので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

検査の際にはできる限り痛みや不快感を抑え、スムーズに進めることができるよう、下記のようなさまざまな工夫を行っております。

  • 鎮静剤や痛み止めの薬を使用

うとうとしている間に、検査を終えることができます。

検査自体にかかる時間は15〜30分程度です。(ただし準備や休憩を含め半日程度かかります)

  • 身体に負担の少ない機器を使用

より内視鏡径の細い機器を用いることで、身体への負担を最小限に。

  • もし良性ポリープが発見されたら、その場で治療

CSPというスムーズな方法により、小さな良性ポリープ1個の切除にかかる時間は1〜2分程度。

検査と治療を同時に行います。


さらにご都合にあわせてご利用いただけるよう、事前診察はオンライン可能、土日の検査も行っております。検査や病気のことなど、疑問や不安があれば遠慮なく当院までお問い合わせください。

▶︎現在の空き状況が確認できる予約カレンダーはこちら



今年の検査が、5年後、10年後のあなたの安心につながっているかもしれません。

スタッフ一同、全力でサポートいたします。一緒に大腸の健康を考えていきましょう。


それではまた、次回のコラムで!


引用文献

[1] 日本消化器病学会 編: 大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版). 南江堂. 2020. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/CPGL2020_.pdf(2025年7月28日閲覧)]

[2] 日本消化器病学会 編: 患者さんとご家族のための大腸ポリープガイド 2023. [https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/cp_2023.pdf(2025年7月28日閲覧)]

[3] 浦岡俊夫他. 大腸 cold polypectomy ガイドライン(大腸ESD/EMRガイドライン追補). 日本消化器内視鏡学会雑誌. 2021; 63(5): 1147-1158.

[4] がんの統計編集委員会 編: がんの統計2025. がん研究振興財団, 2025.

[5] 日本消化器内視鏡学会: 市民のみなさま, 消化器内視鏡Q&A. [https://www.jges.net/citizen/faq/large-intestine_06(2025年7月28日閲覧)]

keyboard_arrow_up

ネット予約

arrow_forward